「尾道みなと小学校・中学校新築工事に関する住民監査請求」尾道市監査委員会へ提出
2025年8月19日(火曜)
本日10:45、「尾道の未来を考える会」代表 福島光宏らは、代理人の山田延廣弁護士、工藤勇行弁護士とともに、尾道市監査委員会に、尾道みなと小学校及び尾道みなと中学校の新築工事についての住民監査請求書を提出しました。

この監査請求には、1,780名余の方のご賛同を得ました。
監査請求書の提出に引き続き、尾道市庁舎記者クラブで記者会見を行い、集まった報道関係者に概略を説明しました。

尾道市では、6月から尾道みなと小学校及び尾道みなと中学校新築工事についての入札を行い、建築工事業者等を決定し、着工の見込みとなりました。これらの事業は、計画立案時の予測以上に少子化が急速に進行し、かつ教育が多様化する中、ごく近い将来の校舎利用の見通しからすれば極めて不経済な支出です。新校舎建設ありきで、既存校舎の活用をまじめに比較検討しないのは極めて不健全で、将来市民に負担を押しつけるものです。このため尾道市民として監査を請求するに至ったものです。今回、全市域から1,780名以上のご賛同をいただき、期限内に申請人書面の確定できた1,778名を以て請求しました。
9月の市議会ではこれらの事業契約についての採決も行われます。
その前に、請求人の方々をはじめ、多くの方とより深く意見を交換し認識を高めるため、8月29日(金)19:00からしまなみ交流館ホールにて意見交換会も実施しますので併せてご案内します。
https://onomichi-mirai.com/report/418/
今回の住民監査請求の概要
1 設計終了までの経緯
尾道市議会は、2023(令和5)年9月議会にて、尾道みなと小学校(以下、「みなと小」という。)の新築事業33.1億円、尾道みなと中学校(以下、「みなと中」という。)の新築事業31.5億円、合計64.6億円の事業における基本設計・実施設計予算を可決、2025(令和7)年3月までに地質調査を含む基本設計および実施設計を終了している。
2 昨年5月の第1回監査請求
今回の請求者のうちの一部の者は、2024年5月新校舎建設にかかる一切の費用の差止を求めて、住民監査請求を行った(以下、「第1回監査請求」という。)。第1回監査請求おいては、当時の単価に基づいて、既存校舎が老朽化していることを前提に、必要な耐震補強と長寿命化の改修費を試算して比較し差止を主張したものであった。
これに対し、2024年7月、監査委員会は、設計の契約は、市教委の裁量権の範囲内として「棄却」つまり、請求は退けられた。他方、新校舎建築工事については、この監査請求時点ではまだ工事が行われるかどうか確実でない、として「却下」つまり、門前払いとなった。そのうえで、監査委員会は、新校舎建設について、慎重な対応をするよう尾道市に対し注意を喚起する異例の意見をつけた。
3 宮本佳宏教育長は虚偽の答弁で市議会を通過させた
ところが、2024年9月4日市議会定例会一般質問において、山根基嗣議員が第1回監査請求でわたしたちが試算した既存建物の改修案について質問したところ、宮本佳宏教育長は、わたちたちが示した改修費の試算を「校舎の躯体の状況が良好であることを前提に試算されたもの」とする虚偽答弁を行いその後のわたしたちの答弁修正申し入れに対しても修正することはなかった。宮本佳宏教育長は、旧校舎利用を検討させないようにするために、尾道市議会を欺いたのである。
さらに遡れば、宮本佳宏教育長は、2023年12月定例会でも、旧久保小学校については、「耐震性がないことに加え、…老朽化が進んでいることから、教育委員会といたしましては、耐震化して活用することは困難であると考えております。」と答弁しているが、これは、市教育委員会自体が旧久保小学校校舎の耐震診断の結果を踏まえ予算を費やして耐震化実施設計を完了していること、つまり、耐震化は可能であると判断していた事実を無視した虚偽答弁であった。また、旧久保中学校校舎改修費用について「仮校舎の整備や管理教室棟の改築を含め、約19億円」と答弁しているが、その試算内容は杜撰である。
4 総事業費は62億円
小中あわせた総事業費は基本実施設計費及び地質調査業務費を含め、62億円となる。尾道市議会は、2025年3月、2025年度及び2026年度の2年間にわたるみなと小建築工事請負費及び工事監理費、ならびにみなと中建築工事請負費及び工事監理費のうち、2025年度はおよそ1割に当たる額 (9割は来年度)の予算を可決した。
5 他に財政負担を軽減させる方策がある
わたしたちは、まちづくりコンサルタントである井筒俊樹さんのご指導のもと、建設費高騰を踏まえ、あらためて、2025年3月時点での単価及び2025年度の国の補助金要綱等に則って既存の旧久保小学校及び旧久保中学校の老朽化や耐震能を踏まえた改修事業費を積算し、事業費はそれぞれ15.8億円、13.9億円であり、合計29.7億円、新築と比べ、総事業費にして32.3億円節減できる、と試算した。
6 建設工事費は高騰し続けている
国土交通省が毎月公表する建設工事費デフレーターによると、2025年3月時点で、すでに本計画の設計予算が可決された2023年9月に比べ、8.7%上昇しているが、これに対する対応策は示されていない。ちなみに、既に全国の公共または公共に準じる計画において中断または中止が相次いでいる。
7 児童生徒数は当初予測以上に減少しすでに2学級維持は不可能
そもそもこの度の小・中学校の統廃合、そして新校舎の建設は、各学年複数学級を維持することを目的に掲げているが、尾道市教育委員会もすでに新築校舎利用開始時に複数学級を維持できない学年が2学年は発生すること を認めている。更に、現状ですでに、遠距離通学をきらい、住所を隣接学区へ移すなどの動きもみられている。校舎利用開始時から空き教室が発生する過大規模の校舎建設となっている疑念すらある。
以上のように、現在のみなと小及びみなと中ともに新校舎建設とする計画は、教育長の虚偽答弁に基づいて市議会に判断を求めたものであり、既存の旧久保小学校及び既存の旧久保中学校を改修して利用した場合等を誠実に比較検討したこともなく、建設工事費高騰の実態への対応もなく、今後の新校舎利用の実体からも不相応であり、尾道市に多大な損害を与えることとなる。
そこで、わたしたちは、尾道みなと小学校及び尾道みなと中学校の新校舎建築のための一切の費用の支払いを差し止める措置を求めて、監査請求を行ったのである。
関連書類
01.甲1号証 2023(令和5)年 市議会議案集 9月
02.甲2号証 2024(令和6)年4月19日議員説明会資料
03.甲3号証-1 尾道みなと小学校整備事業
04.甲4号証 小中統合再編に係る工事費の比較
05.甲5号証 令和6年第3回9月定例会9月4日議事録(山根議員対宮本教育長)
06.甲6号証 令和6年第3回定例会9月4日一般質問に対する答弁の修正申入れ
07.甲7号証 尾道市教育委員会の回答(令和7年1月16日)
08.甲8号証 建設費高騰に伴う最近の計画見直し事例
09.甲9号証 令和6年第5回12月定例会12月4日議事録(石森議員)
10.甲10号証 久保小学校、長江小学校、土堂小学校における耐震診断及び実施設計業務の経緯
11.甲11号証 令和5年第6回12月定例会12月8日議事録抜粋
12.甲12号証 教育委員会資料令和5年7月21日 旧校舎改修積算
13.甲13号証 入札結果
代表あいさつ
御礼ご挨拶
8月19日 山田弁護士・工藤弁護士と支援者の方々と尾道市監査委員会に皆様から頂きました監査請求書及び付帯資料と1778名分の委任状と提出しました。
かくも多くの委任状を頂きまして、心から御礼申し上げます。
ただ戦いは始まったばかりです。既にお知らせのハガキを出しておりますが、8月29日午後7時からしまなみ交流館で説明会を開きます。1人でも多くの方にご来場頂き、意見交換をさせて頂ければ幸いです。引き続き宜しくお願い申し上げます。
尾道の未来を考える会 代表 福島 光宏
意見交換会のお知らせ
2025年8月29日(金) 19:00~、しまなみ交流館(ホール)にて意見交換会を開催します。
監査請求では、陳述の機会があります。陳述に向けて、みなさまのご意見をできるだけ活かすべく、ご意見ご質問やお気持ちを伺わせていただきたく存じます。
詳細はこちらのページからご確認ください。
https://onomichi-mirai.com/report/418/